インドア日記

ひきこもり系オタクの二次元記録用ブログ。アニメやゲーム、読書の感想を書いています。たまに日記的なものも。

映画感想『ヒューゴの不思議な発明』 冒険活劇かと思ったら、リアルがあった。

 

 2011年に発表されたこの映画。テレビで宣伝をみたときからおもしろそうで、見たいな見たいな~と思っていたのだけど、そう思いながらもうこんなに時間が経っていたのに驚いた。

(※映画の内容のネタバレあります)

 

 

 さて、この話の内容を要約すると、

 

『父を亡くした少年ヒューゴが、父が遺した機械人形に隠された秘密を解き明かし、家を手に入れる』という話。

 

 こう書いてみると、少年少女による冒険活劇のように見えるし、実際作品を見るまで私は主人公の男の子が冒険をするもんだと思っていた。

 でも実際は違った。舞台はヒューゴ少年が暮らしている駅とヒロインの女の子の家ぐらいしか行き来しない、こじんまりとしたものだった。

 父が遺した機械人形に隠された秘密というものも、こちらが想像していたような大層なものではなかった。

 この機械人形を作った人は、実はヒロインの名付け親の養父(おじいさん)で、おじいさんがまだ夢見ていたころに作ったものだった。

 物語が進むと、おじいさんは昔映画を作ることに情熱を燃やしていた人で、自分の劇場を造り何本も映画を作っていたらしいが、戦争によって人々から映画の関心が薄くなり、劇場も経営難に陥り、映画を撮るのをやめてしまった。という事実がわかる。

 この事実がわかったとき、ちょっと私は肩すかしを喰らった。

 というのも、おじいさんがヒューゴ少年から形見のノートを取り上げたとき「過去の亡霊が…」と意味深にいっていたり、ヒロインの家で大量の映画のラフ画(でいいのかな?)をぶちまけたときに「信じていたのにこの仕打ちか…」と大層なことを言っていて、また作品のなかでそことなく織り込まれている「戦争」というキーワードから、実はおじいさんは自分が撮りたくない軍国主義的な映画を無理矢理撮らされて、映画が嫌になり、過去を封印したのかと思っていた。

 ちなみに、機械人形も実は軍の秘密みたいなものが隠されていて、その機械人形を手に入れたヒューゴのお父さんは、秘密が明かされる前に殺されてしまったのか…と想像していたんだけど、そんな話じゃなかった。

 機械人形に隠されたおじいさんの過去がわかったとき、「時代の流れだから仕方ないんじゃね…」と思ってしまった私は薄情かもしれない。

 その後おじいさんはヒューゴによって立ち直り、ヒューゴは新しい家を手に入れるというラストで終わった。

 映像美は良かったけれど、評判はいいと聴いていた割にはたいした話ではなかったな、というのが見終わって直後の感想だった。

 

 

 映画を見終わった後、ネットでこの映画のことを調べて、私はびっくりした。

 この映画に出ているおじいさん、ジョルジュ・メリエスという人は、なんと実在した人らしい。

 

ジョルジュ・メリエス - Wikipedia

 

 映画で説明されていた経歴も本当のことで、作品の中に出てきたおじいさんが撮った映画も実在するものだった。

 

月世界旅行 (映画) - Wikipedia

 

 という事実を知ると、「なんだ機械人形に隠された秘密ってたいしたことないな」という感想は間違いだ。現実の話だった。現実は重い。生意気なこと思ってすみませんでした…。

 このことを踏まえると最初の感想はガラッと変わり、

 この作品はヒューゴ少年が繰り広げる冒険活劇ではなく、ジョルジュ・メリエス氏のリスペクト作品だったんじゃないかと思った。

 

 wikiを見てみると、映画で簡単に説明されていたおじいさん、ジョルジュ・メリエス氏の経歴は本当で、ラストに出てきた劇場もジョルジュ作品の回顧展だったようだ。

 

 wikiにはこう書かれている。

全てを失ったメリエスは、公の場に姿を見せなくなった。1920年代中ごろにはモンパルナス駅周辺で飴と玩具の売り子をし、他の映画製作者らが集めた基金による援助で食いつないでいた。1925年、長年の愛人だったジュアンヌ・ダルシーと結婚し、パリに住んだ。1920年代末ごろ、何人かのジャーナリストがメリエスと彼の業績を調べ始め、新たな関心が生まれた。映画界で再評価されるようになり、1929年12月にはサル・プレイエルで回顧展が開催された。それについてメリエスは回想録で「人生の最高の瞬間を経験した」と記している。

 

 この『ヒューゴの不思議な発明』というのは、wikiの文章を借りると、ジョルジュ氏が玩具の売り子をしていた~回顧展の間に起こった出来事だったようだ。どうして自暴自棄になっていたジョルジュ氏が立ち直ったのか、が書かれていた話で、最初は「大したことがない話だな~」だった感想も、上記のことを知ると、「フィクションでもこんな話があったならロマンがあるよね」と思えた。

 

  

 この映画、きれいな映像でファンタジー感をまとまわせていたけれど、中身はリアルを扱っていた…と思う。その作品の雰囲気が作中にでてきたおじいさんの半生、(人々に手品や映画という夢を見せていたが、時代の流れで夢をあきらめて現実を見る…と勝手にまとめてみる。知識不足なので色々間違っているかも) に寄せているのかも~と素人目線ながらも感じた次第です。