インドア日記

ひきこもり系オタクのアウトプット置き場。アニメ、ゲーム、読書感想など。思いついたことを書いたりしています。

読書感想『正伝 岡田以蔵』 

 

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 FGO岡田以蔵が実装された結果、キャラにはまった私はとうとう史実の岡田以蔵はどういう人物だったのかとこの本を手に取った。手に取ってしまった。

 

 

 こちらの本、FGO岡田以蔵に興味を持った私と同じような人々の手によって、とても人気だ。FGOで以蔵さんが活躍していたイベントは終わったものの、重版に次ぐ重版が決まり、とうとうFGO側ともコラボが決定し、限定帯がつけられるということになったという。

 

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 実のところ私は、実在した人をもとにしたキャラクターであっても、ご本人はどういった人だったのかと歴史書を買うようなオタクではなかった。

 しかし以蔵さんの場合はなんでだろうな…。イベントやって以蔵さんのことがもっと知りたくなってしまったのだ。以蔵さんの情報が欲しくてたまらなくなってしまっていた。

 そんなときに出版社さんのツイートが回ってきて、その本を読んだ人の感想もなかなか良くって、気が付けば手に取っていて読んでいた。自分でも自分に驚いている。

 ちなみに、当方、幕末知識が高校の教科書レベルしかなく(しかもすっかり忘れている)、今までこういった歴史書を読んだことはなかった。

 そんな幕末知識ゼロオタクが読んでみた感想になります。

 

読んでみた感想

 

 この本はまず岡田一族が育った土地のこと、岡田家のことに触れながらクローズアップされるみたいに岡田以蔵の誕生から亡くなるまで、そしてその後のことも時系列に語られていた。

 資料を元に淡々と語られていて読みやすかったし、ところどころに著者の方が想像した台詞が挟まれていて場面がわかりやすかった。

 

「うーん、痛いねや。富士山を見るばあじゃ治らんぜよ」

 とか。

「武市先生…、わしはどうしたらエィがですろう。わかりません……」

 とか。

 ちょっとした台詞なんだけど、少し小説を読んでいるような気分になった。歴史書を読んだことがない人間だけど、場面が想像できて読みやすかった。

 読んでいくうちに、一方その頃坂本龍馬は、武市半平太は何をしていたのか…が気になって二人の本も読んでみたくなってしまった。年表を照らし合わせて読んでみたい気持ちになった。

 

 また、章と章の間に、著者の方が「以蔵はどんな人間だったのか」と想像した『以蔵コラム』が挟まれている。そのコラムのなかで「以蔵は童貞だったのか…?」と軽く考察しているところもあって、ちょっとびっくり。

 失礼ながらオタクは皆「ハマった人間がどんな人なのか」を考えるものなんだな…と思ってしまった。

 

 

 この本を読んだうえの岡田以蔵としては、「周りと比べて知性に見劣りのある」と何度も書かれていて、しかしながらちゃんと教育を受けていたから無学というわけではないということがわかったし、もしかしたら単純で素直な人だったのかもしれないという印象を受けた。武市先生が書いた病になった以蔵さんを心配する手紙もあるらしいし、家族からは愛されていたようだし。ちょっとおバカだけど憎めない人だったのかも。

 武市先生のために、尊敬する人のために剣を振っていた人だったのかなあ。

 

 

 

 

 

 先ほども記述したけど、FGOとのコラボが決まって限定帯が作られることになった『正伝岡田以蔵

 その帯の表面のセリフは

『臭いのきつい野菜は勘弁じゃ』

 というまさかの苦手な野菜を前面に押し出したものだった。

 

 

 私はこれを初めて見たとき「え…そこ…?」と驚き、どうしてこの台詞を選んだんだろう、他にもかっこいい台詞たくさんあるのになあ…とずっと思っていた。(岡田以蔵知らない人にしてみたら、臭いのきつい野菜がダメな人というイメージを与えてしまうのでは…? 苦手なもの広まるけど、いいのか…? とか思った)

 でもこの『正伝岡田以蔵』を最後まで読んで、ちょっとこの台詞の印象が変わってしまった。なんだか切ない気持ちにもなった。いいチョイスだったと思う。

 

 

 この本で史実の岡田以蔵について少し知識を得たので、次はフィクションの岡田以蔵にも触れてみたいと思っている。

  また坂本龍馬新撰組など、もっと幕末のことを知りたくなってきた。

 史実をもとにした二次元のキャラにはまって、史実はどうだったのかと調べるのは実は初めてだったのだけど、意外とおもしろかった。世界が広がった感じがした。