インドア日記

ひきこもり系オタクのアウトプット置き場。アニメ、ゲーム、読書感想など。思いついたことを書いたりしています。

感想『塔の上のラプンツェル』 

塔の上のラプンツェル(吹替版)

 

 出てくる王子様枠(王子じゃない)がイケメンだという噂を聴きつけ、今更見てみましたが、毒親(ただし偽物。誘拐犯)との呪縛から自由になろうとする娘の物語のように感じました。

 

 魔法の髪目当てに赤ん坊のラプンツェルを誘拐し、塔の上に幽閉し育てていた魔女ゴーテル…っていうヴィランが、開始数分の歌でわかるほどの毒親っぷりを発揮して震えました。もう会話しているだけで、ラプンツェルの心を挫く挫く。

 ゴーテルは全然ラプンツェルの話を聴いていないんですよ。自分の言いたいを言っています。

 「外は怖い場所」「お前は常識知らず」と行ってラプンツェルを束縛し、また外見いじり、ボソボソと喋るなと言ってきます。ボソボソ喋るのはラプンツェルがお前の顔色を窺っているからだよ。

 冒頭で明るく元気な姿を見せていたラプンツェルがゴーテルと話しているうちに顔が段々「なんかもう話しても無駄だな…」と疲れているのがわかる。

 挙句の果てに、ラプンツェルが言い返そうとすると「私が悪者なのね」と言ってきます。

 そうだよ。

 …って見た人全員思ったはず。

 ゴーテルはリアルに置き換えると支配型の人間なんですよね…。ヴィランなんてみんな支配型じゃないのかというツッコミはさておき。

 相手を意のままに操ろうとする。相手を下げて自分を上に持っていこうとする。逆切れして「全部自分がわるいんでしょ」って会話しようとせず相手に罪悪感抱かせようとしている。

 近づいちゃいけない人だ…。でもそんな人が親だと「毒親」になるんですよね。

 

 

 私が最近見たディズニー映画の「ズートピア」や「ファインディング・ドリー」では現代社会の問題も巧みに入れ込まれていたので、ディズニーは毒親問題も入れてきたのかと思ってしまいました。やっぱり海外でも同じようなものなのかなあ。

 

 

 ラプンツェルは王国のティアラを盗んで逃げてきたフリンをガイド役に、ゴーテルがいないうちに塔の外に出て、自分の誕生日に夜空に上がる灯りを見に行きます。

 その外に出たときのラプンツェルの反応がコミカルに描かれていますが、「夢だった外に出られて嬉しい」という気持ちと「自分を心配して塔の外に出るなと言ってくれた母親の気持ちを裏切ってしまった」という罪悪感でせめぎあうシーンがありました。ああ~わかる…。自分の親は毒親ではありませんけど、わかるわあ…。

 それで色々あって、魔女は消え、ラプンツェルは自力で自分の国に戻り、フリンことユージーンと結ばれ「末永く幸せに暮らしました」エンドで終わりました。

 いい話でした。

 思った以上にラプンツェルという女の子が可愛く、見ていて応援してあげたくなるプリンセスでした。フラインパン持って侵入者フリンを殴りかかっていましたけど、暴力系ヒロインじゃないですからね。勇気あるけど、やっぱり怖い…っていう普通の部分もあり、母親だと信じていたゴーテルも慕っていましたからね。ラプンツェルは慕っているけどゴーテルは自分の事しか考えていない毒親だから、リアルに心がざわめいたんですけど…。

 目当てで見たイケメン枠のフリンは顔はイケメンだったけど、別にかっこいい活躍はしていなかったような…。でもラプンツェルとフリンが互いを好きになっていくのがよかったです。船の上で空に昇る灯りを二人で見るシーンはきれいでした。

 

 このラプンツェル、最近のディズニー映画が提示してくる「王子様に守られているだけのヒロインはもう時代遅れ。これからは自分で自分の運命を切り開くニュープリンセスや!」枠(長い)の一人だと勝手に思っているんですけど、アナ雪よりも好きだな…と思いました。モアナも好きです。