映画感想『サイコ』
年取ると、名前は知っているけど見たことのない過去の名作というものを見たくなってきて、今回はヒッチコック監督の『サイコ』を見てみました。ちなみにヒッチコック作品は初めて見ました。
1960年の映画だからネタバレ…っていうのもあれだし、実際自分はネタバレを知っていて見ていましたけど、ネタバレ注意です。
最初から最後までのストーリーはwikiに書いてありますので、こちらをどうぞ。
時代が古いし映像も白黒で、犯人が二重人格というのも当時では珍しかっただろうけど現代では浸透したネタであるというのに「古いから見れない!」ということは無く、「ノーマンを捕まえられるのか、それとも殺されるのか」という緊迫感を持ちながら見ることができました。
前半は会社のお金を盗んだマリオンの逃走劇。マリオンがノーマンが経営する人気のないモーテルで殺され、後半は彼女の消息を探す人々がノーマンの元を訪ねるという流れです。
やっぱり刺殺シーンは時代が古いので仕方ないのですが、ちゃちだな…と思ってしまった一方、緊迫感みたいなものは今見てもピリピリと感じました。面白かったです。
お金を盗み逃げる際中も、道中で不審な目で見られるマリオン。
泊まったモーテルでは、モーテルを経営する青年ノーマンと自分を良く思っていない母親の喧嘩が窓から聴こえてくる。精神を病んでいるという母親。
鳥の剥製でいっぱいの部屋でノーマンと会話。マリオンが泊まった部屋にも鳥の絵が飾られている。マリオンの部屋を覗き見しているノーマン。
そんな部屋でシャワー浴びていたら、殺される…。
私は最後のネタバレを知っていたのですけど、何も知らなかったらびっくりしたんだろうなあと思います。主人公だと思っていたマリオンがちょうどストーリーの半分で殺されてしまいますから。
それに怖くは無かったんですけど唐突に犯人が出てくるシーンは、やっぱり「おおっ!」となりました。シャワーシーンは言わずもがな、私立探偵が唐突に母親(姿になっていたノーマン)に殺されるところも。
私立探偵が母親に出会うところ、例えがアレですけど、脱出ゲームの青鬼とエンカウントしたような唐突な怖さを感じました。
最後、ノーマンの母親がくるりと動くと実は骨で「キャー!」となってすぐに女装したノーマンが「ノーマ・ベンツよ!」と言いながら殺しにくるシーン。
白黒だからか時代が古いからか妙な雰囲気が出ていまして、現代ではベタなシーンなんですけども、骨!となってからの女装した男が殺しにくる(似合ってない)!というコンボにちゃんと「ひえ…!」となりました。
やっぱり背のでかい女装した男が包丁振りかざしていたら怖いです。でも今の綺麗な映像でリメイクしたらシュールになるかもしれない。
最後、マリオンの車が沼から引き揚げられて終わるのですが、何とも言えない不気味さを感じましたね。
でも死体の隠し手段としての底なし沼は、便利すぎる。
やっぱり映画史に残る名作というものはすごいもので、十分に面白かったです。
今見ても損は無いと思うし、おつりがくるレベルだと思います。