バックトゥザフューチャー3部作、素人なりにストーリー分解してみた感想。
今まで見たことが無かったので、バックトゥザフューチャー三部作見ました。
いやあ、さすが名作。面白い。
今だとタイムトラベルものの王道、ベタだな~と思わなくもないのですが、そのネタを後世の作品で色々見たからなんでしょう。
せっかくの名作なので、勉強がてらストーリーを分解しながら見ていました。
素人の分解なので、優しく見てください。
1.物語の発端にある、主人公の欠如とは?
主人公というのは、どこか「欠如」した存在なんだといいます。
ストーリーとは大雑把にまとめると「どこかに行って、帰ってくる」もので、物語の初めの「欠如」がストーリーのラストで回復するんだとか。このどこかは、具体的な場所というわけではなく、もっと大きな括りらしいです。
では主人公のマーティの「欠如」は何だというと。
1、2,3(2と3は続きものなので、2=3なのですが)通してみると、マーティは冴えない家族を持つ冴えない青年です。
1では勇気の欠如。ビフに立ち向かえず、昔から頭が上がらない父。マーティ自身も「才能が無いと言われるのが嫌だ」と言っており、レコード会社に音楽テープを送れずにいました。
2、3では慎重の欠如。「腰抜け」と言われるとすぐにカッとなる性格のせいで、未来のマーティは交通事故を起こしてしまいます。冴えない環境に戻ってしまい、仕事もクビになってしまう。
1と2=3(3は2の続きなので実質2=3)で、勇気と慎重という相反するものを持ってきたのが、面白いなあと思いました。
でも「腰抜け」と周囲から罵られても、自分の未来を守るという信念に基づいた行動なら、それもそれで一つの勇気なんですよね…。じゃあ、大きく見ると1では「勇気をもって立ち向かう」、2と3では「勇気をもって信念を守る」なのかな。どっちも勇気の欠如なのか。
ストーリーを欠如→回復に絞ると、
1では「過去に行き、過去の父に勇気を与えたことで、冴えない家族が変わる」
2、3では「過去に行き、短気を克服したことで冴えない未来が変わる」とこうなります。わかりやすい。
2.ストーリーの流れ。
1,2,3とストーリーの大枠としての流れはほぼ一緒ですな。
(背景) マーティは冴えない環境にいる。
① メインの問題。元の時代に帰ることができなくなったトラブルが起きる。
1→1.25ジゴワットの動力不足。
2→戻った現代が変わってしまっていた。
3→ガソリンが無くなりデロリアンが動かせなくなる。
メインの目標はトラブルを解決し、元の時代に戻ること。
その目標の解決のため、ドクに解決策を考えてもらい、協力してもらう。
そのなかで母親(3ではひぃおばあちゃん)に起こされ、その時代の現状を把握するイベントが発生したり、敵(ビフ、3ではマッドドック・タネン つまりタネン一族)と因縁ができるイベントがある。
②サブ問題の発生。
1→若いころの父を助けたため、二人の出会いを変えてしまった。
サブ目標→自分が生まれない未来にならないように、両親をくっつけようとする。
2→捨てたスポーツ年鑑をビフ老人に拾われ、ビフ老人が若いころのビフにスポーツ年鑑を渡したため現代が変わってしまたことがわかる。
サブ目標→自分のいた現代に戻すため、過去に戻りビフからスポーツ年鑑を奪う。
3→タネンに決闘を申し込まれる。
3は…なんて書いたらいいかわからなかった…。
このサブ目標ができた辺りで、時間的にちょうど映画の半分ぐらいでした。私は「おお~」となりました。
④ サブ問題を解決。敵を倒して馬糞まみれにする。
⑤ ドクの協力のもと元の時代に戻る。最後の最後で「ドク死んだか!?」という流れになる。
⑥ メイン目標の達成。
マーティの欠如が回復する。
(1では若い頃の父に勇気を与えたので、父はSF作家として成功して、冴えない家族がすっかり変わっている。3では短気を克服したので、交通事故を起こさず、冴えない未来が変わる)
ドクは実は生きていたことがわかる。
マーティとドクは別れる。ハッピーエンドで終わる。
こんな感じ……でしょ! 間違ってたらごめんよ。
メインの問題→サブ問題→サブ問題の解決→メイン問題の解決→欠如の回復。
となっているわけですよね。…多分。わかりやすいし勉強になるなあ…。
3.個人的な感想。
それでここからは自分の思ったことをつらつらと…。
バックトゥザフューチャー、見たこと無かったので今回初めて見たわけですが、イメージとして破天荒な科学者に主人公が振り回されるのかな…と思っていましたが、そんなことなかったぜ…。割と二人の立ち位置は対等だなあと思いました。年の離れた親友みたいな。見ながらなんとなく既視感を覚えたのですが、のび太とドラえもん……?
意外とドクのキャラクターが好きになってしまったので、ドクが銃で撃たれたシーンとか雷がデロリアンに落ちたシーンとか、「いや、生きとるやろ」と展開が読めていたとしても「ドク――――!!!」と内心叫ばずにはいられませんでしたね。
だからかな。3でクララがドクを追いかけて汽車に飛び移ったときは、「やめて! お前が来たらドクがマーティと一緒に帰れなくなるでしょ! 帰って!」なんて思ってしまいましたよ。ひどいなあ、自分。
カーチェイスなどのお約束のシーンじゃなくて、クララという存在にハラハラさせられるなんて思わなかった…。「ドクが過去に取り残されるか、マーティと一緒に戻るか」の部分が展開が読めなかくて、ハラハラさせられました。
でもこの物語は「マーティとドクの冒険もの」なんですよね。ヒロインが活躍しないのもびっくりだ…。だから「マーティとドクの別れ」で締めくくられる、と。
一緒にこれからもずっとドタバタやっていてほしいと思うのですが、ドクはドクの道を行き、マーティは見送るのです。少し寂しいけど、これが若者冒険成長物語ですもんね…。
というわけで、バックトゥザフューチャーを見ました。
さすが名作。ストーリーがわかりやすい。今見ても面白いし見やすい。
名作ってすごいな、いいなあ~と思えた作品でした。