インドア日記

ひきこもり系オタクのアウトプット置き場。アニメ、ゲーム、読書感想など。思いついたことを書いたりしています。

アニメ感想『ケムリクサ』 

ケムリクサ 1巻[上巻] [Blu-ray]

 

 いつもアニメ感想はその季節に見たものをまとめて感想書いているんですが、2020の夏はこの「ケムリクサ」しか見てないんです。今思えば、面白そうなアニメいっぱいあったのにな…。しかも「ケムリクサ」は再放送されていたものなので、新作アニメ一つも見てないですね…。少し後悔。

 

 

「ケムリクサ」を見ようと思ったきっかけは、あの覇権アニメ「けものフレンズ」のたつき監督の作品であること。またこの作品が放送されていた当時、作品の評価が良かったことで、見ておけばよかった~と思っていたからです。

 私自身、「けものフレンズ」は知っているけど見たことが無かったので、今回の「ケムリクサ」を見てみました。

 

 

 

けものフレンズ」の印象もあって、といっても「けもフレ」は見ていないのでイメージなのですが、ほのぼのとした可愛らしいお話なのかなって思っていました。「ケムリクサ」ってタイトルだけじゃストーリーわかりませんですしね。

 実際、キャラクターは見た目も性格もみんな可愛らしかったです。

 性格はみんなわかりやすい性格していました。語尾もついていましたし。

 

 しかし、キャラクターたちが生きる世界はとっても過酷なものでした。

 舞台は文明が崩壊しているような世界で、キャラたちの他に人はいません。

 水を探している、りんたち3姉妹。1話でやっと水が見つかりますが、水を探して危険な他の地域に行くか、それとも安全な場所に残るかを選択しないといけませんでした。

 何故かりんたち「ヒト」に対して襲ってくるアカムシと呼ばれる、正体不明の敵。

 ケムリクサとは何なのか。

 

 わからないことだらけで始まったストーリーですが、記憶喪失のわかばくんに対してりんたちが教えることで、徐々にバックホーンがわかっていきます。

 りんたちが元々6姉妹であり、旅の途中で3人が死んでしまったこと。

 りんたちの「ヒト」の定義。りんたちの体内にはケムリクサがあり、わかばくんは五感が揃ってるみたいだけど、りんたちにはそれぞれ欠けてるのか、あるいは感覚の一つが特化されているみたい。

 ここら辺の情報がキャラクターの会話を通じて、またはキャラの動き、様子などで明らかにされていきます。徐々に徐々にわかっていくのが、情報開示がうまいなあ~と思ってしまいました。

 

  世界が生きるのに残酷であること。世界が謎に包まれていること。

 気が抜けば人が死にそうな感じがぷんぷんしていること…。

 ……などが、進撃の巨人味を感じてしまいました。

 キャラクターが可愛らしく仲が良く、主人公のりんを除き皆好きなことを見つけて楽しんでいるのでギスギスしていないので、見ていてもそこまでつらくないのが、救い。

 

 

 

 ここから先はネタバレあり ↓ ↓ ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何が一番「進撃の巨人」味を感じたのかというと、どうして世界がこうなったのかがわかった11話のりりちゃんを見て、「お前が始めた物語だろ」って言葉を思い出しちゃったからなんですよ…。

 りりちゃんが、ワカバを休ませてあげたいとケムリクサをミックスして赤いケムリクサを生み出し世界をめちゃくちゃにしてしまった。

 途中途中出てきた壁は赤いケムリクサの根をこれ以上侵入させないために、ワカバが青いケムリクサで設置したもの。ワカバは壁の向こうに行ってしまっった。

 大人ではないりりちゃんは壁を解除することはできないので、今すぐ大人になるためにミックスしたケムリクサを摂取。りんたち6姉妹が生まれることになる。

 しかしりりちゃんは分裂する直前に、壁の向こうに行ってもワカバを助けられないと察知し、ワカバの最後の言葉「好きなことをして生きてほしい」(うろおぼえ。だいたいこんな言葉だった)という言い残す。

 これが世界がこうなったことの真相でした。

 

 そして、りりちゃんの願いは、形を変えて1話で達成されました。

 

 

 てっきり、わかばくんが主人公なのかな~とか思っていた時もあったのですが、全部見終わってみると、主人公はりんだな~と私は思いました。

 この残酷な世界(キャラの言葉を借りるなら残念な世界)で、生きるのに必死で姉妹を守るのに必死で余裕の無いりんが、好きなものを見つける物語です。

 りんが見つけた好きなものは何なのか。

 最後の最後に、りん自身が口にします。

 ……良いものを見ました…。そんな気分になりました…。

 

 

 ゆるいキャラデザに反して、けっこう設定はしっかりしていて理屈が通っており、「はあ~、なるほどねえ~」と思わされた話でした。

 びっくりしたのが、キャラクターの語尾にも理由があり「互いに区別するため」だったという話で、視聴者もキャラ付けでわかりやすいし、作中のキャラたちも互いをわかりやすくしてあったんだと驚きましたね。

 こういう小さなところにも、ちゃんと設定が通っており、唸らせられました。う~む。

 

 

 本編を見終わったあと、ネットで「12.1話」を見ました。

 いやほんと「ありがとう…監督…」とお礼が言いたくなる「おまけ」でした。

 

 世界が謎だらけで、その謎が段々わかっていく…みたいな作品が好きな人なら、刺さるお話だと思いました。