アニメ感想『体操ザムライ』
いつもは見た作品の感想はまとめて書いているのだけど、こちらは書いていて長くなったので別枠にした。短くまとめられなかった。とにかく書きてえのだ。
※ネタバレ注意
2020年秋アニメの個人的ダークホース枠。
なぜかというと、前情報も仕入れず何となく見たら、驚かされたからである。終盤まで安定して面白かった。
1話では、成績が振るわず引退の流れに追い込まれた主人公・荒垣城太郎が、娘に「引退する」と伝えるために一緒に出掛けた旅行先で忍者と出会い、忍者が家までついてきて居候することになる。その後、引退会見当日、亡くなった妻や娘を思い出し「引退しませぬ」と宣言を撤回。→EDで上海ハニーが流れる…という流れだった。
いや、オレンジレンジ世代の人間なので「引退しませぬ」から上海ハニーが流れたときはめっちゃびっくりしたし、テンションもアゲアゲになりましたよ。その衝撃で視聴継続した。
てっきり、引退後、城太郎が忍者村で頑張る物語かと1話の途中まで想像していたのでだけど、実際はどん底にいる体操選手が再起を目指すストーリーだった。
ストーリーラインでは『ユーリonIce』を思い出したし(制作会社一緒だった)、娘持ちのお父さんという立ち位置は『タイバニ』の虎徹さんを思い出した。
なので、ちょっとウジウジしたうだつのあがらないお父さんだったら見ているのがつらいなあ…と不安だったのけど、この荒垣城太郎は、何を考えているのかわからない、とにかく掴みどころがない系お父さんだったのだ。
そこも驚いたポイントで、面白かった。
『ユーリ』では主人公のユーリ、監督のヴィクトル、ライバルのユリオの三人が主軸だったけど、『体操ザムライ』では主人公の城太郎、娘の玲、忍者のレオの三人が主軸と思った。OPで歌っているの男三人なのだけれども。
忍者のレオと出会い城太郎はスランプを乗り越えていく、その変化を受けて父を支えるために頑張っていた娘の玲も変化していく。(母親のようにならなきゃと頑張っていたが、我慢するのをやめたり、自分の夢を見つけたり) 終盤、この二人がレオに勇気を与えて、レオも逃げるのをやめ本国に戻っていく…というストーリーだった。
なので、体操描写も丁寧で面白かったんだけど、主人公の周りの人間関係の描写の方も丁寧に積み上げられていたので、人間ドラマ的だったかも。でも周りのキャラクターが個性的でぶっ飛んだ人が多かったので、気負いせずに見ることができた。
娘の玲ちゃんが、すごく健気でいい子で可愛いんだ。玲ちゃんが一人になってしまう回はもう、涙腺が緩みました……。
『どん底にいた選手が、周囲をあっと驚かせるほど完全勝利する』というラストを期待するなら、『ユーリ』よりもこちらがオススメだと感じた。
ラストの流れはライバルの格も落とさず主人公の強さを見せる形で、すごく良かった。理想的。最高だった。ガッツポーズしたくなるほど。
同じアニメ制作会社、どん底にいるスポーツ選手が主人公という物語で、勝手に『ユーリ』と比較してしまうけれど、
個人的には胸キュンポイント、「キャー!!!」と叫びたくなるドキドキポイントでは『ユーリ』の方が高い。
『ユーリ』は瞬間風速が強い印象で、1話の掴みが最高、序盤の流れも最高だったんだけど、中盤以降はあんまり記憶に残っていなくて、ラストもいまいち残っていない。それはお前が年だから記憶力が…と言われたら、言い返せないのですけども。
『体操ザムライ』は疑似家族ものっぽく、ストーリーは安定していて、人間関係も丁寧に描かれていて、その積み上げていったものがラストでいかんなく発揮され、最後も最高だった。
あくまで個人の感想なんだけど、そう思いました。
いいアニメだった…感動した…と感想を書き殴りたくなったので、書きました。