インドア日記

ひきこもり系オタクのアウトプット置き場。アニメ、ゲーム、読書感想など。思いついたことを書いたりしています。

ファイアパンチもチェンソーマンも読んだことがない人間が、藤本タツキ短編集を読んだ感想

藤本タツキ短編集 17-21 (ジャンプコミックスDIGITAL)

藤本タツキ短編集 22-26 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 藤本タツキの名前は知っている。ながやまこはるちゃんという妹さんがツイッターをしているのも知っている。担当編集の方が戦慄した経緯も知っている。

 チェンソーマンがアニメにもなり、人気らしいことも知っている。・・・けど、今まで作品を読んだことがなかった。今、アニメやっているけど、見るアニメが多くて見れていない。・・・・・・オタク名乗るなと言われそう・・・。ごめん。

 そんな人間が、短編集で初めて藤本タツキ先生の作品を読みました。以下、感想を残しておこうと思います。一個一個の感想は短めです。

 

 

 

17-21

① 庭には二羽ニワトリがいた

 

 このタイトルからこのストーリーがお出しされるとは思っていなかったので、めっちゃびっくりした。

 ユウトくんの顔がニワトリの着ぐるみの影で見えないことや、最初は陽平くん(宇宙人)の登場から始まるからユウトくんはやられちゃうモブな役で、陽平くんとアミちゃんの二人で話が進んでいくのかな・・・と途中まで思っていたらラスト驚いた。

 

 正直「初っ端からコレ!?!?」とびっくりしたんだけど、吾峠先生の「過狩り狩り」も同じ感じで驚いたし、書いた人の「個性」みたいなものが一番でるのが一番初めなのかな・・・と思ったりもしました。

 

② 佐々木くんが銃弾止めた

 

 このタイトルからこのストーリーがお出しされるとは思っていなかった、パート2。

「こんな展開になるの!?」と良い意味で驚いた話。ちなみに「こんな展開になるの!?」という驚きはのちのちの作品にも続くことになる。

 これもラスト驚いた。

 

 

③ 恋は盲目

 

 告白しようとするけど先生に捕まったり、刃物を持った男に脅されたり、宇宙人が出てきたり・・・という邪魔が入るけど「それどころではない」と何とか告白しようとする話。

「告白する」って単純な話なのに絵の圧がすごくて面白い。主人公もヒロインも濃い。わかりやすく面白かった。

 

④ シカク

 

 殺し屋の女の子シカクと不死身の吸血鬼の話。

「こんな展開になるの!?」って思った話、その2。コメントを見ると高熱を出したときにネーム描いたらしい。え・・・?

 女の子がかわいくなっている。

 宇宙人が出てくる話が続いていた中で、吸血鬼が出てきたのも驚いた。

 

 

22-26

① 人魚ラプソディ

 

 男の子と人魚の恋の話。

 先に「17-21」を読んでいたので「17-21」の方で感じたアクが、こちらでは初っ端あっさりしていたので「藤本タツキ・・・! こんな大衆向けの話かけるんだ・・・!」と失礼なことを思った。ちなみに米津玄師のヒロアカOP「ピースサイン」を聴いたときも同じ事を思った。あの衝撃を思い出した。

 コメントによると「普通の話」らしいので、私が感じた感想もあながち間違っていない・・・のかもしれない。

 

② 目が覚めたら女の子になっていた病

 

 女々しい男の子が目が覚めたら女の子になっていた話。

 目が覚めたら女の子になっていた導入の話は色々あるけど、冒頭が生々しいし、色々と考えさせられるというか。最後は「男の子みたいになろう」と決めるわけだけど、その後トシヒデのことを思うと、大変そう・・・。

 

 

③ 予言のナユタ

 

「世界を滅ぼす」という予言の子ナユタとそのお兄ちゃんの話。

 予言の子や魔法使い、現実には存在しない動物(兎猫など)というファンタジー要素がかなりあるのに現実世界と似たような社会で、リアル感があるな・・・と思ってしまった。

 ナユタちゃんが物騒なんだけど、可愛い。

 ナユタちゃんの魔法でたくさんの巨大な手が剣を持って、空に現れるシーンがあったけど、すげえ・・・と思いました。

 タツキ先生らしさとわかりやすさが合体した話だと思った。

 

④ 妹の姉

 

 妹が姉の裸婦画を描いて入賞したもんだから、学校の玄関に飾られることになった話。

 私は美術系の学校を知らないし、美術系の学校を出たという友人もいない。・・・・・・なのだが、この冒頭のネタを「ありそう」と思ってしまったのは何なんだろうな。

 最初は「美術の天才ならこんなことやりそう」と思ったんだけど、二回目以降読むと「この妹はこんなことやりそう(やった)」と考えが変わってしまった。

 

 妙な生々しさ。妙な湿度を感じた。

 それで姉が裸を描いて妹にやり返す(と私は感じた)ラストは開き直った大胆さが感じられて爽快だった。

 

 

 

最後に

 

 個人的に「こんな展開になるの!?」と驚いた話が多くて面白かった。

 

 恋と宇宙人と〇ックス多いなあ・・・とも思った。チェンソーマンのデンジくんも胸をもむために頑張る話あるらしいので(チェンソーマン芸人を見て知りました)、男の子の原動力なのかなとも思ってしまった。

 

 あとがきに、タツキ先生が東日本大震災の復興支援ボランティアに無力感を感じたことを書いてあって、この短編集を読んだあとに長編読み切り「ルックバック」を読んだのだけど、このコメントがきっかけで「ルックバック」で感じたことが増えた。

 

 あとがきには「メダカを食べた」話もチラリと書いてあり、ここでも「なんでそんな流れになるの!?」と思ってしまった。