『Fate/EXTRA Last Encore』についていけるだろうか。
『Fate/EXTRA Last Encore』略してラスアン。3話まで見た。
私は原作の『EXTRA』ゲームプレイ済みで続編のCCCもプレイ済み。ドラマCDも途中までだが聴いていた。(最後まで聴けよ)
初めてプレイしたFateはCCCだった。初っ端から続編のCCCプレイしてしまった。でもそのCCCでシナリオにはまり、前作のEXTRA、そしてSN、zero…と、Fateシリーズを追いかけて行った。だからEXTRAシリーズは思い入れが深い作品だ。
EXTRAアニメ化と聴いたときは期待していたけど、アニメが始まる前のCMの文章が不穏だったりして、不安も募っていた。
ゲームをそのままアニメ化しないだろうなあ、というのはなんとなくわかっていたけど、まさかここまで違うとは思わなかった。
主人公が私の知っている岸波白野じゃなかった。
ストーリー面もゲーム版とまるきり違っていた。
聖杯戦争に巻き込まれた主人公が生き残るために戦うというよりも、作中のセリフを借りると「聖杯戦争を続ける」ために戦っていた。シンジ戦では。
…とまあ、アニメはゲームの内容をそのままアニメにしたわけではなく、何から何まで変わっているけどゲームとは別物ともいいきれず、ゲームをプレイした人間からしてみればつながっているようでもあり、エクストラ外伝と言った方がしっくりするかもしれない。
私個人としては、このアニメはおもしろいと思っています。
先が読めない展開で考察もたくさん生まれるし、私自身考察は得意じゃないけど、人の考察を読んで色々な発見ができて、楽しいです。
それになにより、アニメで動くエクストラキャラクターを見ることができるのが、嬉しい。
セイバーは可愛いし、奏者の顔面偏差値が高い。ときめく。シャフトの映像美とエクストラ世界は合っていると思います。
このアニメはアニメでおもしろい。
でも心のどこかでモヤモヤしたものがあるんです。このアニメを否定したいわけじゃないけど、なんだかモヤモヤしている。
まず一つ。初見さんがついていけるのか?
このアニメでEXTRAを初めて見た人は、ついていけるんだろうか。…ということ。
ゲームをプレイした人間で世界観がわかっていて、かつゲームをプレイしたからこそ考察ができて、ラスアン世界は「こうなっているんじゃね」とある程度の推測をしながら見ることができますが、全くの初見さんが見たら、ちんぷんかんぷんなんじゃないかな…というところ。
それは奈須きのこの狙いの一つなんだろうけど、アニメを見ただけで世界観を理解できるのだろうか。ゲーム版とは違う話だということを、アニメでEXTRAをふれた人はわかってくれるのだろうか…ということ。
もう一つは、ゲーム版が好きな人間だからこそかもしれないけど、どうしてゲーム版本編をそのままアニメにしなかったんだろうか、というモヤモヤ。
いや、ゲームで遊んでいて、素人目線ですがそのままアニメにするのは難しいだろうな…とは思っていましたよ。
最初のサーヴァント選択から、途中の凛ルートラニルートの選択など…どうしても選ばれなかった方は残念だなという気持ちになるし。
月の聖杯戦争やセラフという広大な設定の割に、校舎とアリーナしか行き来ができない。閉じられた舞台はアニメ映えするのかな…と思ったりしていました。
だから、改変は仕方がないんだろうな…とは思っていたけど、こんなに変わるとは思っていなかったんです。まるっきり別物じゃん…と思うけど、そうとも言い切れないし…。うーん。
ここから先は面倒くさいオタクの独り言なんですが、
SNは原作をそのまま――少し改変はあったけど――アニメ化されていたのに、どうしてEXTRAはゲーム版シナリオをそのままアニメ化しなかったの? と思ってしまうんですよね。
例えばSNはさまざまな派生作品があるけれど、それはイフとして扱われたりして、SN本編を壊すものは出てきていないように感じます。SNはSNで綺麗に完結している。それは今遊んでいるFGOでもSNのキャラがそのまま本編に出てくることは無く、(クラスが変わって出てきてはいますが)、SNはSN本編が綺麗に終わっている存在として守られているように感じるのです。
EXTRAもCCCを含めて、綺麗な終わり方をした物語です。
でもEXTRAシリーズは続編のEXTELLAが出ました。続編といっても、物語的にはEXTRAの直接の続編ではなく、テラゼロ(奈須きのこのブログに設定が乗っています)というプレイヤーが体験していないエクストラ物語の続編でした。私は、EXTELLAに「あなただけの聖杯戦争」という名目があったEXTRAを壊されたように感じられました。
テラはテラでおもしろかったのですが、「これはエクストラでやる意味があったのか…。別の主人公、別のサーヴァントでやってもよかったのでは…?」と引っかかる所もあったのです。
テラでモヤモヤが発生していたなかでの、このラスアンなので、モヤモヤが引き続いたのでしょう。
EXTRA自体「Fateを壊す」というコンセプトのもと作られたものだと、どこかで読みました。(すいません、出典忘れました…)
だからEXTRAは型にとらわれず、好きなように「壊す」方向性でいくのでしょうか。
「好きなようにやりたい」のなら、別の主人公、別のヒロインをつくり好きなようにやればいいんじゃないでしょうか。
EXTRAシリーズも成長し、たくさんのファンがついた作品なんだから、壊すのではなく大事にしてほしいな…と心のどこかで思っているのです。
もう一度いいますが、ラスアンはラスアンでおもしろいです。アニメの雰囲気は好きです。
奈須きのこの話は「――ついて来れるか」と「ついて来れる奴だけついて来い!」というスタンスで、私は楽しんでついていっていました。
ラスアンも振り落とされないようついて行くつもりです。
だから、モヤモヤを振り払うぐらいのお話を期待しています。