インドア日記

ひきこもり系オタクのアウトプット置き場。アニメ、ゲーム、読書感想など。思いついたことを書いたりしています。

読書感想『飛騨忍法帖』

 

飛騨忍法帖

飛騨忍法帖

 

 

 

 忍法帖シリーズを読むのは今作が初めてなので、他の忍法帖作品の特徴といったものがわからないんだけど、ネットでググって他の人の感想を覗いてみたら、ちょっと他の忍法帖作品とは毛色が違っているらしい。

 

 

 舞台は幕末。主人を殺された忍者の乗鞍丞馬とその主人の妻お美也の二人が、殺した5人の男を仇討する…という物語。

 他にも勝海舟新撰組坂本龍馬岡田以蔵…など実在の人も出てくる。

 かなりぶっとんだ忍術バトルが繰り広げられるのかなと思っていたんだけど、忍術は主人公しか使わないし、忍術は銃や大砲などの近代技術にどこまで対抗できるのか…という疑念は作中でもあったけど、主人公は苦戦していないような気がした。

 忍術sugeee!

 先がどうなる?どうなる?とグイグイと読み進められたお話だった。

 

 

 面白かった…といえば面白かったんだけど、個人的な感想としては登場人物のどいつもこいつも恋に振り回されていた…。

 主人公の丞馬はお美也さんに恋をして、でも献身的に仕えているのはグッとくる。お美也さんが殺された夫に仇討を決意するのもわかる。

 でも仇討ち相手の5人の旗本たちが、読んでいて「おまえな~」という気持ちに。

 お美也さんを娶った宗像主水正を、嫉妬のため暗殺する。お美也さんをものにしようとあの手この手で画策する。最後の一人がとうとうお美也さんを自分のものにしたときは「もっと大事にせんかい!」という気持ちになった…。振り回されたお美也さんが不憫すぎる…。

「悪漢、断つべし!」という気持ちにさせるのが狙いだったりするのだろうか。

 それに主人公の丞馬はモテモテで、故郷の飛騨から追ってきた女の人たちが邪魔をしてきたり、その女の人たちを連れ戻しに来た男の人たちも話に絡んできている。

 話の流れ的には王道だったんだけど、みんな自分の恋に、欲に忠実すぎる…と思わずにはいられなかった。

 そういったキャラクターたちよりも、作中に出てくる勝海舟のキャラクターのほうが魅力的に見えた。