読書感想『勝海舟』
どうも、お久しぶりです…。
2月全くブログに手を付けていなかったことにびっくりしております。
そんな2月はこの本をぼちぼち読んでいました。
子母沢先生の「勝海舟」全六巻! 一か月以上かけてぼちぼち読んでいました。
きっかけは、幕末の小説を読んでいて、そこに「べらんめえ」口調の勝海舟をよく見かけたことです。(読んでいた小説に偏りがあるからかもしれませんが…)
そこで段々「勝海舟って何した人だったっけなあ?」と興味を覚え、どうして幕府側の人間なのに龍馬を弟子にしたんだろう…とか色々不思議に思うようになり、ちょっと調べてみたいなあと思うようになりました。
歴史書よりも小説の方が読みやすいかな?と思い、タイトルにドドンと名前が載っているこの本を読んでみることにしました。
いやあ、読み応えがあって面白かったです。
貧乏時代の幼少期。咸臨丸に乗って渡米したこと。江戸城無血開城…などなど。勝海舟の半生が書き込まれている感じがしました。
幕府、薩長という立場の考えではなく「日本国のため」という考えを元に行動していたんだなあ、と上記の疑問が氷解しました。ちきちきな江戸っ子口調、人を喰ったようなセリフ、視野の広さ…。読んでいてかっこいいと思いました。
この本を読んでいて、勝さんの元に色々な人がやってくるのが面白かったです。ボロ塾時代から杉さんはよくやってくるし、龍馬や(龍馬の出会いシーンは無かったんですが)、薩摩の志士・益満休之助など。新撰組など、そういう幕末で活躍した人のほかにも、政治に関係のない市政の人々との関わりも書いてあって、面白かったです。
個人的に好きだったのは、薩長との戦を避けようと奔走する5巻辺りです。
「日本のため」と戦を避けようとするけど、理解者は少なく周りは敵だらけ。アイツが黒幕なんじゃないかと疑われる。刺客もやってくる(普通にごめんくださいって玄関からやってくるし、追い返しもせず家に入れているのにも驚いた)。「お前だけが頼りだ」という風に任されるけど、成し遂げても「よくやった!」と言ってくれる人も少ない。「もう嫌になった、辞める」と願い出ても受理されない…。末期状態とはいえ幕府ブラック…。
ついでに家庭内では、佐久間象山に嫁いで戻ってきた妹が家の雰囲気を悪くしている…。
それでもやるべきことをやっていく姿がおもしろかったです。
江戸城無血開城を成し遂げた後の6巻はその後のごたごたなどが書かれていたんですけど、「え? これで終わり? 続きは?」という終わり方をしていました。戦後の紙不足などが関係していたんでしょうか…?
幕末の知識は疎いので、史実との違いがあるのかはわからないのですが、読んでいて勉強になったし面白かったです。
せっかくだし次は同じ作者さんが書かれた、勝海舟の父・小吉が主役の「父子鷹」を読んでみようと思っています。