【感想】『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』
ニュート・スキャマンダー(CV宮野真守)「ママだよ~」
自分「非の打ちどころのない可愛さだ…」(拍手パチパチ)
宮野ボイスのこの台詞だけで100点あげたいぐらいなんですけど、映画全体としても面白かったので真面目に感想書きます。
ハリーポッターシリーズは序盤と最後の一作を見たぐらいで、ほとんど見てないと言っても過言ではないと思います。そんなシリーズの知識が無い人間が見てみた感想になります。
細かい用語は「?」となるところもありましたが、シリーズを知らなくても楽しむことができました。
ハリーの時代よりも古く1926年のアメリカで、文明が発達を遂げようとしている時代に隠れるような魔法使いの存在はハリーの物語(といっても語れるだけ見ているわけじゃないのですが)とは違う独特な雰囲気が感じられました。イギリスの魔法使いが非魔法使いのことを「マグル」と呼ぶのに対してアメリカは「ノーマジ」と呼ぶのも、魔法使いの世界の深さを感じることができました。
ニュートのトランクから魔法生物が数匹逃げてしまって、その捕獲劇も面白かったし、逆に魔法生物を使ってピンチを切り抜けるシーンもかっこよかったです。
また、ニュートのトランクのなかは魔法生物たちを保護している動物園みたいになっているんですが、ぶっちゃけそこに行きたい。USJ頑張って再現してくれないかな…。
てっきりカードキャプターさくらみたいに逃げた魔法生物を捕獲していく話かと思ったら、闇の魔法使いの暗躍もあって面白かったです。
それで先ほど言った「非の打ちどころのないかわいさだ…」はもう一人いて、それが巻き込まれた小太りな三枚目であるノーマジのジェイコブなんですな。
人見知りっぽくて言動がハキハキしてなくて作中で自分で言うほど「人をイラつかせる」というニュートに対して、ノーマジのキャラクター・ジェイコブは人が良く、ニュートの魔法生物の捕獲にも協力してくれます。
この2人の捕獲劇が個人的には面白く「悪い魔法使いの陰謀もいいけどずっとこういうの見ていたいな~」と思ってしまうほど。いいコンビでした。
心を読めるクイニーともいつのまにかいい感じになっていて、映画だから恋愛要素もあるんだろうな~とは思っていましたが「お前かーい!」と。
掟だから「魔法使いの存在を知られたノーマジの記憶は消さなくてはいけない」と記憶を消す雨に打たれるシーンは、ちょっとせつなくなりました。嫌だ~。
でも次回作の予告を見たら普通にニュートと一緒にいるし、アレ?どういうこと?
主人公のニュートの過去はこの1作ではよくわからなかったので、そちらは次回に期待ということになりそうです。
また「ママだよ~」が聴きたい…。
近所のカエル一匹がまだ鳴き続けている件について。
おそらくご近所さんのお庭に生息しているカエルが、7月に入ってもゲコゲコと鳴き続けている。
日記を見返すと6月の初めの方にはカエルの鳴き声が聴こえてきたと書いてあるから、そのカエルは6月いっぱいゲコゲコと鳴き続けていたことになる。
晴れた日も鳴いていたし、雨の日も鳴いていた。
朝も昼も夜も鳴いていた…気がする。
続きを読む【読書感想】『姑獲鳥の夏』 ★★★★☆
【読書感想】「武市半平太伝」
岡田以蔵にはまって以来、史実の情報を調べたり幕末の本を読んだりしてみたけど、今回は岡田以蔵の師匠である武市半平太の本を読んでみることにした。
岡田以蔵が主人公の小説だと、身分が低く貧しい以蔵を差別するような嫌な奴として武市半平太が描かれているものもあるけれど、
この本を読んでみると史実では、武市半平太という人は冷静沈着、真面目、誠実であることがうかがえ、正々堂々正面突破が主義のような人であったらしい。それに加えて趣味人として絵画をたしなんだり詩を読んだりと、文化的な教養を持っていた人のようだ。けれど音痴だったとか…。
そして愛妻家でもあり、獄中でも妻・富子を気遣う文を出している。
…すごく、できた人だ…。
他の志士から「西郷隆盛に似ている」と言われていたようで、彼を慕う人間は多く、投獄されてからも牢番を心服させるほどだったみたいだ。すごいなあ…。
続きを読む【読書感想】『魍魎の匣』★★★★★ もっと早く読んでおけばよかったと後悔するほど面白かった。
京極夏彦作品は、ちょっと手を出すのをためらうような分厚いイメージと小難しそうなイメージがあり、今まで読もうとは思わなかった。
けれど以前同じ作者の「書楼弔堂シリーズ」を面白く読めたので「自分は京極夏彦の作品を読めるんだ!」と謎の自信(?)が湧き、有名な百鬼夜行シリーズを読んでみることにした。
本当はシリーズ第1作の「姑獲鳥の夏」から読んだ方が良かったかもしれないんだけど、アニメや映画のメディアミックスで名前だけ知っているこちらの作品から読んでみることにした。
読む前は本の分厚さに「こりゃあ読み終わるのに二週間ぐらいかかるかもしれん…」と自分の読書スピードを鑑みて危惧しながら読んだけど、事件の真相が気になりすぎて、3日ぐらいで読んでしまった。
一気読みしたいぐらい先が気になったけど、物語のボリュームが大きく一気読みできなかった。もどかしかった。そりゃこんな分厚くもなると納得。
いやあ…すごいものを読ませてもらった…。
読みにくいかな…と思っていたけど、私は意外と読めた。
びっくりしたのは、小難しいイメージとは別にキャラクターがみんな個性的だったということ。だからキャラクター小説としても面白かったのは意外だった。
もちろんキャラクターだけでなくて、作中起こった事件の連鎖具合は読んでいて「そうくるか~」と唸ったし、イメージ通り探偵役のもちろん探偵役の京極堂の説明、解釈、考察…などは一度に理解できず頭に「?」を飛ばしながら読んでいたところもあったけど、「なるほどな」と納得できるものもあった。特にどうして個人は犯罪を起こすのかの京極堂の解釈は興味深かった…。
第二次世界大戦が終わったあとの「戦争」がまだ色濃く残っていた時代。
思春期の危うい少女たち。あの時代の老いに対する恐怖。神秘的な少女が出てくる。彼女たちの会話にはオカルト用語が飛び交っている。
タイトルにも入っている「匣」はいろんな場面で出てくる。ものを入れる箱。箱のような建物。精神的な箱。などなど。マトリョーシカみたいに次から次へと箱が出てくる。
よくわからない魍魎。
バラバラになった手足が連続して見つかるという事件。
ラストはどこか90年代(この本が発行されたのが95年だからかもしれないけど)の雰囲気を感じてしまった。
何がとは言えないけれど、「全部乗せだ!コレ」と感じた。
私が高校生の時読んでいたら、間違いなく自分を高二病に叩き落とした一冊の中に加わっていただろう。もっと早く読んでおけばよかった。
そして今現在読んだ後も、ドハマリしそうな気配が漂っている。
鈍器になるような分厚さに、濃厚な物語に、いつの間にか話の中に入り込んでいて読み終わった後は放心状態になった。この分厚さは作中にぐっと入れるほどで、こういうところも人気の一つかもしれないと思った。他のシリーズ作品も気になります。