アニメ映画『ライオンキング』を見た。王道ストーリーとしての感想とライオンの生態を簡単に調べてみての感想。
「あ~にゃんば~にゃんばばば~」(空耳)
ライオンキングの思い出は冒頭の唄とキングダムハーツでフィールドを走り回った記憶しかありません。大昔に見ていたはずなんですが! それじゃああんまりだということで、見直すことにしました。大人になってみたら、子供の頃には思いつかなかった感想が浮かんできたのでその記録になります。
1.王道ストーリーとして見る。
序盤は「親戚のやさぐれているおじさんを無邪気に煽るなシンバ! 危ないから!」
とハラハラした目で見ていたんですけど、スカーの姦計にはまってシンバの父・ムファサが死に、シンバもプライドランドを追い出されてしまい、スカーにプライドランドを乗っ取られてしまった…辺りから、めちゃくちゃ王道ストーリーであることがわかりました。
ライオンであるということを取っ払ってみたら、王国を追われた王子が、成長して国に戻り、簒奪者を追い払い国を取り戻す…とまとめることができ、そう見るとめちゃくちゃ王道です。
追い出されたシンバはティモンとブンバァと出会い「ハクナ・マタタ(くよくよするな)」の精神を教えられ、立派に成長しました。あの二人と「ハクナ・マタタ」でどこか能天気に育ったように見えますが、心の中では罪悪感を引きづっています。
しかしながらシンバはこの二匹と「ハクナ・マタタ」に救われたと見ることができます。
父が死に国を追われ母は自分を恨んでいると思い込んでいるから帰れない…。幼いシンバにとっては絶望的です。気楽な二匹と「ハクナ・マタタ」の明るい歌のおかげでそれほど悲壮感はそれほど感じられない様になっていましたが、割と絶望的な状況です。このまま一匹でいたらポキっと心が折れていてもおかしくありません。
もしティモンとブンバァに出会わないルートを辿っていたら、もっと暗いストーリーになっていたかもしれないなあと思いました。心に傷をもった厭世的なシンバになっていたかも…。
2.ライオンの生態を踏まえて見る。
後半、シンバはプライドランドに帰りスカーと対決します。
ここで感じたことはオスライオンによるハーレムの奪い合いです。
調べたところ、ライオンの集団のことをプライドというらしいです。だからプライドランド…なのか? 誇りともかけていると思うけども。
何となくでしか知らないので、ネット上ですがライオンの生態についてざっと調べてみると、
オスは一定年齢以上に達し性成熟するとプライドを追い出され、己の力のみで生きていかなければならない。目立ちやすい鬣や巨体で1頭のみで狩りをして生きていくのは生半可な事ではなく、オスは自身のプライドを確保するのを生涯唯一にして最大の目標と定め、広大なサバンナを流浪しながら経験を得て力を高めていく。
やがてプライドのリーダーのオスに戦いを挑み、死闘に勝利すればそのプライドに属するモノ全てを手に入れる。負けた方は内容にもよるが心身共にボロボロの状態でサバンナの大地に放り出される事になり、最悪の場合そのまま命を落とす。老化や相次ぐ戦いによるケガ・ストレスよる身体能力の衰えから何時かは他の若いオスに負ける定めにあり、プライドを維持出来る期間はほんの僅かである。*1
けっこうストーリーはライオンの生態に沿ってみるような気がします。
オスライオンは「生後2 - 3年で群れから追い出され*2」ますし、メスの発情を促して自分の子孫を作るため「群れを乗っ取ったオスは群れ内の幼獣を殺(子殺し)*3」そうとするらしいです。
スカーも子どもオスライオンのシンバを追い出し殺そうとし、成長し若くて力のあるライオンになったシンバは衰えたスカーを追い出しました。オスライオンの生態としてみると、けっこうそのまんまっぽい…。
でもそう考えると一つ疑問が生まれて、どうしてムファサはスカーを追い出さなかったのかと思ってしまいます。追い出したら話始まらないじゃんというツッコミは一旦置くとして。
ここら辺は人間の王室、または家制度のような考え方なんでしょうか、プライドランドは。
リアルライオンにそって考えるとすると、もしムファサがスカーを追い出した場合、次はシンバが追い出される展開になりそうです。そしたらまた違ったお話になりそうと思いました。
最後にCMで超実写ライオンキングの映像をちらっと見たんですけど、気になる…というよりちょっと怖い。どうなるんでしょうね…。