インドア日記

ひきこもり系オタクのアウトプット置き場。アニメ、ゲーム、読書感想など。思いついたことを書いたりしています。

映画感想『水曜日が消えた』

水曜日が消えた

 

中村倫也が、曜日ごとに入れ替わる7つの人格を持った男を演じた主演作。幼い頃の交通事故により、曜日ごとに性格も個性も異なる7人が入れ替わる「僕」。彼らは各曜日の名前で呼び合っているが、中でも「火曜日」は一番地味で退屈な存在で、他の曜日から家の掃除など面倒なことを押し付けられる損な役回りだった。しかし、ある時、1日を終えてベッドに入った「火曜日」が、水曜日に目を覚ます。僕の中の「水曜日」が消え、「火曜日」は水曜日を謳歌するが、その日常は徐々に恐怖へと変わっていく。*1

 

 昔、映画の予告を見て設定に面白さを感じて、なんとなく覚えていたけれど、今回初めて映画本編を見てみることにした。

 

 多重人格もの・・・ということでサイコものか、それともなぜ水曜日の人格が消えてしまったのかという謎を追いかけていくミステリーものかな~とドキドキして見始めてみたけど、始まったのは恋愛ものだったのでビックリした。

 

 主人公は火曜日人格の〈僕〉

 行きたい図書館が閉まっていたり、几帳面な性格で他の人格のやらかしを片付けたりと毎日をつまらないと思って過ごしている。

 そんな彼が、ある日、何故か水曜日にも目を覚まして行きたかった図書館に行くことに。そこで図書館司書の女の子と知り合い、恋に落ちてしまう・・・。

 

 ・・・・・・という、前半は青春な恋愛ものが始まってびっくりした。

〈僕〉は恋愛に浮き足経っているので、どうして水曜日が消えたのかと言う謎よりも、水曜日が消えたという事実が病院に知られたら、今の幸せが消えてしまうかもしれないから黙っている・・・というスタンスを取っていた。

 

 私としては、七つの人格の誰かが他の人格を殺している殺人格鬼(・・・とは?)で、サイコミステリー的なストーリーが繰り広げられるのだろうと期待していたので、ちょっと肩すかし感があった。

 

 しかも多重人格ものなのに、せっかくの中村倫也なのに他の人格を見せないってどういうこと?

 かあ~、恋愛ものかよ~、かったるいぜ~!

 遊びに来ている幼なじみを放っておいて、いきなり知り合った女の子の方にいくのかよ~(怒)

 とか、前半を見ただけではそう思っていたんだけど、中盤に入っていくうちに、不穏な雰囲気に変わっていったので、目が離せなくなってしまった。

 

以下ネタバレあります。ラストのネタバレもあるので注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 段々、主人公の意識が無くなっていくんだよね。

 気がついたら意識が飛び飛びになっていくとか、シーンが変わっているとか。

 ぶつ切りの映像とか、そういうのが不穏さをかき立ててきて良かった。

 

 中盤、〈僕〉は他の人格にも大切なものがあり、それとお別れもできずに消えてしまった。だから病院に行ってきちんと検査してもらおうと決意するんだけど、それを邪魔する、月曜日の中村倫也vs火曜日の中村倫也のシーンはめちゃくちゃ良かった。

 月曜日の中村倫也も火曜日の中村倫也と同様、他の人格がいなくなったことによって連続する日を楽しんでおり、それを邪魔されたくなかったのだ。

 

 この一人芝居のシーン。走り出す。だけど意識が途切れる。スマホの映像に月曜日の自分が残した伝言が入っている・・・。っていう映像はぞわぞわくる感じで良かった。

 しかもまあ、気弱な僕とは正反対で、不良っぽい人格なので、その中村倫也の演技がめちゃくちゃ良かったのだ・・・!!

 

 

 そして終盤。人格たちが消え一人になってしまう。

 残ったのは月曜日かそれとも火曜日か?

 正直、この展開は色々な小説読んでいたせいか、ぶっちゃけ読めてしまった。

 伏線もあったし。(癖が全人格違うとか。月曜日が火曜日の人格のマネを練習していると本人が言っていたこととか)

 でも偽物が本物の振りをするって展開、切なくて、めっちゃ私好みの展開なんですよ・・・。

 しかしタバコを吸う仕草の中村倫也、最高だな・・・。

 てっきりこのまま終わって、全方位失恋エンドかと思ったんですが、最後はハッピーエンドで終わりました。

 ネタバレすると、七つの人格共存エンドです。

 多重人格ものについて語れるほど詳しくないけれど、この手の話で人格共存でハッピーエンドって珍しいなあと思いました。

 私としては、全方位失恋エンドで、偽物が本物の振りをしながら生きていく・・・ってラストでも切なくて個人的に好きだったんですけど、最後は爽やかにハッピーエンドで終わりました。

 

 安心してくれ、中村倫也七変化は最後で見れるぞ!